外壁のチョーキング現象とは?落とし方や放置するリスクについて解説!

Q.

チョーキング現象ってなに?放置していても大丈夫なもの?

最近、以前に比べて自宅の外壁が少し古くなってきたような気がすると感じることはありますか?
もしかすると、「チョーキング現象」と呼ばれる劣化症状が現れているかもしれません。
外壁は年月が経過すると、少しずつ劣化症状が現れてくるものです。
しかし、チョーキング現象が起きていると言われても、どうやって落としたらいいのか、対処法に困ってしまいますよね。
今回は、外壁のチョーキング現象について原因や対処方法、さらに放置するリスクをご紹介します。

宇田川

チョーキング現象とは、塗料に含まれる顔料が外壁の表面に粉のような形で現れる劣化症状です。
外壁塗装の保護の役目が劣化している状態となりますので、放置する期間が長くなるにつれてリスクが高くなります。
以下の記事で詳しくご紹介します。

チョーキング現象とは?

外壁に発生するチョーキング現象の特徴

チョーキング現象が発生している外壁は、以下のような特徴が現れます。
外壁に触れるとチョークの粉のようなものが付着する
大きな特徴としては、外壁を手で触ると、チョークのような粉が付着します。 白亜化現象とも呼ばれ、白っぽい粉が付着するとよく言われますが、ベージュや少しグレーっぽいなど外壁色によって粉の色は異なります。 このときに、外壁に付着している汚れや埃とチョーキングを勘違いするケースもよくあります。 しっかりと粉のようなものの色が付着すると限りなくチョーキング現象に近いです。 しかし、見極めが難しい部分がありますので、怪しいと感じた場合は業者に依頼して確認をしてもらいましょう。
外壁が濡れたときに変色する
チョーキング現象が発生している外壁の特徴として、濡れたときに色が変わるということが挙げられます。 ひび割れが起きているわけではないので、劣化症状と知らない、気付かない方もいるかもしれません。 変色は、塗料の性能が正常に機能していないというサインになります。 何も問題がない場合は、変色することはありませんので、違和感を感じた場合は早めに対処しましょう。

外壁にチョーキング現象が発生する原因

雨水や紫外線などの影響によって塗料が劣化する
チョーキング現象の1つ目の原因は、雨水や紫外線などの外的要素の影響が蓄積した経年劣化です。 外壁は、雨水や紫外線に常に晒されており、影響を大きく受けます。 前回の塗装から5~10年経過すると、雨水や紫外線などの外的要素の影響により塗料に含まれる成分が分解されていきます。 塗料に含まれている顔料は本来、粉状の物質です。 塗料に含まれる顔料が劣化することで、表面に粉状として現れる現象がチョーキング現象となります。 そのため、紫外線や排気ガスなどが直接当たりやすい箇所は、他の箇所に比べてチョーキング現象が発生しやすいでしょう。
外壁塗装時の施工不良
経年劣化の他には、外壁塗装の施工不良が原因となります。 前回の塗装工事の際に、業者が適切な方法で施工しなかった場合にチョーキング現象が発生してしまうことがあります。 施工不良ではなく、経年劣化の場合は約10年程で症状が現れてきやすいです。 前回からあまりにも早い段階でチョーキング現象が発生した場合は、当時の業者のミスである可能性が高いでしょう。 外壁塗装や塗料に関する知識・技術が未熟な業者に依頼してしまうと、せっかく綺麗な外観に仕上げても、すぐ劣化してしまうので意味がありません。 チョーキング現象を予防する意味でも、外壁塗装の業者選定が大事になります。

チョーキング現象の落とし方

外壁塗装で補修する

チョーキング現象は、再び外壁塗装を行うことで補修します。 塗装が劣化していることになりますので、新しく塗装し直すことで綺麗な状態に仕上げます。 このときにおすすめとなる塗料が、「ラジカル塗料」です。 チョーキングを引き起こすラジカルという活性酸素の働きを抑えるという特徴があり、外壁を守ってくれる効果があります。 外壁塗装の前には、高圧洗浄でチョーキングを洗い落とします。 チョーキングを綺麗に洗い流さずに塗料を重ねてしまうと、塗料が密着しません。 劣化部分を全て取り除き、新しく塗装することで塗料の効果も再び発揮することができます。

知識や技術が必要なためDIYでは厳しい

自分でDIYでチョーキングを落とせるのではと考える方もいるでしょう。 しかし、チョーキングを全て取り除き、外壁塗装を行うには知識や技術が必要となるため、業者に依頼することが最適な方法になります。 チョーキングを洗い落とそうと外壁を硬いブラシやスポンジで擦ってしまうと、傷が付いてしまうこともあります。 そうなってしまうと、別の補修作業も必要となるため、DIYは避けた方が良いでしょう。 また、高い部分も補修することになりますので、DIYで行うには危険が伴います。 安全に確実に綺麗な状態にするために、業者に外壁塗装してもらうことをおすすめします。

チョーキング現象を放置するリスク

カビ・コケが発生してしまう

チョーキング現象を放置している外壁は、カビやコケが発生しやすくなってしまいます。 カビやコケが発生している外壁は、もちろん外観が損なわれてしまいます。 また、カビがアレルゲンの一種であることから、人体にまで影響を与えてしまう恐れもあり危険です。 建物の寿命も縮み、人体に悪影響を及ぼしてしまうため、早急に対処するようにしましょう。

防水機能の低下により内部が腐食してしまう

チョーキング現象は、塗料が劣化している状態であり防水機能が低下してしまっています。 放置することで、外壁が雨水から守られなくなってしまい、内部にまで侵入します。 最悪の場合、外壁の表面だけでなく内部が腐食してしまいます。 そうなってしまうと、外壁塗装だけでは補修が間に合いません。 内部の工事も必要となるため、費用や時間の負担がさらに大きくなってしまうでしょう。

チョーキング現象の度合いで塗装工事の必要性が判断できる

チョーキング現象は、軽度のものから重度のものへと変化していきます。 外壁は、常に紫外線や雨水などの影響を受けているため、徐々に症状が進行します。 重度である場合は、すぐに対処するべきであると言えますが、軽度である場合は今すぐに外壁塗装が必要というわけではありません。 手で触れた際に付着する粉の量が、少量であれば軽症、多い場合はそれだけ症状が進行しているということですので、重症と言えるでしょう。 手が真っ白になる場合は、外壁塗装のタイミングであるサインになりますが、手に薄く付着する場合は一旦様子を見ても良いでしょう。

外壁の代表的な劣化症状

チョーキング現象が進行すると、外壁全体が劣化してしまいます。 放置していると、外観が損なわれるだけでなく、内部が腐食してしまい、さらに大掛かりな補修工事が必要となります。 しかし、外壁に発生する劣化症状についてあまりよく理解していないという方も多いでしょう。 そこで、こちらでは外壁に発生する代表的な劣化症状についてご紹介します。

①塗膜のツヤがなくなり、色褪せる

艶ありの塗料を使用していたとしても、年数が経過してくると塗膜のツヤが減少していきます。 その後、色が褪せてきて、新築当初や塗装直後の綺麗な塗料の色ではなくなってしまいます。 塗膜の色褪せが発生している外壁は、防水性が低下しているというサインです。 放置していると、雨水が浸透しやすくなり、雨水や強風に弱い外壁になります。

②チョーキング現象が発生する

塗料に含まれる顔料が劣化することによって、チョーキング現象が発生します。 チョーキング現象の特徴や原因については、上記にある通りです。 再塗装を検討するタイミングとなりますので、どの程度症状が進行しているのかをチェックしておきましょう。

③塗膜のひび割れが発生する

外壁の塗膜に起きた色褪せやチョーキング現象を放置し続けると、地面から伝わる振動や雨風の影響を受け、塗膜にひび割れが生じます。 外壁の表面部分にひびが入っているため、もちろん見た目は悪くなってしまいます。 さらに、ひび割れ部分から雨水が浸透しやすくなるため、雨漏りを引き起こしてしまう恐れもあります。

④塗膜が浮き・剥がれる

塗膜のひび割れがさらに広がると、塗膜自体が浮いてしまい剥がれ落ちてしまうこともあります。 下地部分が完全に見えてしまう状態です。 下地部分が守られない状態になってしまうため、さらに紫外線や雨水などの影響を受けやすくなります。 内部が腐食しやすくなり、住宅自体の耐性に影響してきます。

⑤カビやコケ、藻の繁殖

外壁の防水効果が低下すると、水を弾く力が低下するため湿気が溜まりやすくなり、カビやコケ、藻が繁殖しやすくなります。 広がってしまうと、外壁表面がカビやコケ、藻で覆われてしまい美観が損なわれます。 範囲が広くなる程、根が深くなるため早めに除去する必要があります。

⑥コーキングのひび割れ・剥離

サイディングやALCパネル、タイルのように外壁材と外壁材をつなぎ合わせる部分がコーキングです。 このコーキングもひび割れや剥離といった劣化が生じます。 劣化しているコーキングからも雨水が浸透してしまいますので、住宅にとってハイリスクです。 近年の日本の住宅は、サイディングを使用しているケースが多いです。 自宅のコーキング部分を定期的にチェックして、劣化が進行していないかを確かめておきましょう。

⑦外壁のひび割れ(クラック)が発生する

表面のひび割れとは違い、内側からひび割れが発生している現象です。 設計ミスが原因である場合もありますが、大きな地震や台風など自然災害が発生した後にひび割れが起きることもあります。 住宅が傾いたり、一部分が崩れ落ちてしまう恐れがあるため、早急に対処しなければなりません。 ひび割れの規模が大きいほど、補修工事の費用負担も大きくなります。 大きな地震や台風が直撃した後などは、外壁に異変が起きていないかを確認するようにしましょう。

チョーキング現象の発生を予防する方法は?

チョーキング現象の発生を防ぐためには、以下のような方法があります。

耐用年数が長い塗料を使用する

チョーキング現象の発生を予防する方法として、耐用年数が長い塗料を用いて外壁塗装をするということが挙げられます。 外壁塗装で使用する塗料には、それぞれ特性があり耐用年数も異なります。 なかでも、フッ素塗料や無機塗料は耐用年数が長いです。 長期間、外壁を守ることができるようになるため塗料の耐用年数に注目して、塗装工事を進めていきましょう。

ラジカル制御型塗料を使用する

上記でも述べた通り、ラジカル制御型塗料はチョーキング現象を引き起こす「ラジカル」を抑制する働きがあります。 また、光沢がある塗料であるため、ツヤがあり汚れが付着しにくいという性質も含まれています。 長期間、色持ちする外壁に仕上げることができるでしょう。 外壁塗装を実施する場合、様々な塗料を比較し選定することになります。 業者からも多くの種類を提案されると思いますが、ラジカル制御型塗料が使えるかを尋ねてみましょう。

レンガやタイルの外壁に張り替える

外壁塗装よりも大掛かりな作業にはなってしまいますが、外壁材をレンガやタイルに変えることも方法の一つです。 レンガやタイルは、塗料を塗装していないためチョーキングが発生しません。 ただし、外壁材を張り替える工事は、塗装工事よりもさらに大掛かりになってしまうため、費用や時間も倍ほど掛かります。

優良業者を選定する

チョーキング現象を発生しにくくするためには、優良業者に塗装工事を依頼することがポイントとなります。 経年劣化が原因となるケースがある一方で、前回の塗装工事で何らかの不備があることによって現象が起きているケースもあります。 そのため、下地の処置作業から上塗り作業まで、正しい知識や高度な技術を持って実施できる業者を選ぶことで、チョーキング現象の発生を抑えることが可能となります。 実績や口コミを調査し、信頼できる業者を選定しましょう。

まとめ

外壁を触るとチョークのような粉が付着し、雨水に濡れると変色する症状が起きているとチョーキング現象が発生している可能性があります。 経年劣化によることが多いですが、施工不良が原因であることも少なくありません。 再び、綺麗な状態にするために、知識や技術が高い業者を選定することが大事なポイントになります。 チョーキング現象を放置していると、住宅の寿命を縮めてしまうことになりますので、少しでも違和感を感じた場合は早急に対処するようにしてください。

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