塗装の要・下塗り剤「プライマー」と「シーラー」の違いは?役割や重要性について解説!

Q.

塗装工事で使う下塗り剤の「プライマー」と「シーラー」ってどう違うの?

外壁や屋根塗装を検討する際、どのような材料を使用しているのか、どのような違いがあるのか気になる方が多いでしょう。
一般的に、下塗り・中塗り・上塗りの3工程で進めていく塗装作業は、いずれも省くことができない重要な役割があります。
中塗りや上塗りが綺麗に仕上がるためには、下塗り作業が重要です。
下塗りには、「プライマー」や「シーラー」と呼ばれる塗料を使用しますが、何がどう違うのでしょうか?
今回は、下塗り剤に注目して「プライマー」と「シーラー」の役割や重要性の違いについてご紹介します。

平林

「プライマー」と「シーラー」は、本来は別々の目的で使用されるものですが、現在はあまり区別なく使用されています。
どちらにしても、外壁や屋根塗装には重要な意味を持つ欠かせない材料の一つです。
以下の記事で、詳しくご紹介します。

「プライマー」「シーラー」って何?

「プライマー」「シーラー」とは、外壁や屋根塗装で使用する下塗り剤のことです。 一般的に、三段階に分けて塗装作業を行っていきますが、下塗り剤はそのなかでも最初に必要となる塗料です。 主に、プライマーやシーラーを使用することが多く、本来はそれぞれで使用目的が異なります。 こちらでは、プライマーとシーラーそれぞれの特徴や本来の役割についてご紹介します。

「プライマー」の特徴や役割

英語で「最初の」という意味を持つ「primary」が語源となっている用語です。 塗装時に最初に塗る下塗り剤を総称してプライマーと呼びます。 下塗りの後に行う中塗りや上塗り塗料の密着率を高める役割があります。 種類は、水性と油性のものがあり、主に金属系や鉄部、鋼板などに使用されることが多いです。 金属系の建材と相性が良い下塗り剤になります。

「シーラー」の特徴や役割

英語で「密着する」などの意味を持つ「seal」が語源となっている用語です。 プライマーと同様に塗装時の最初に塗る下塗り剤になります。 塗装表面を平らに整え、上塗り塗料の吸い込みを防ぐ役割もあります。 水性と油性のものがあり、モルタルやサイディング、ALCなど様々な建材に使用されています。

「プライマー」と「シーラー」の違いは?

プライマーとシーラーで、語源が異なり、本来の役割はそれぞれ違います。 ただし、現在はあまり区別なく扱われています。 メーカーによっては、同じ意味合いで使用しているケースも多々あります。 劣化状況や塗装する建材、中塗り・上塗り塗料によって、適している方を判断して用いることが重要です。 特に、金属系の建材を塗装する場合は、サビを抑制する働きを持つ防錆プライマーが適しています。 外壁や屋根と上塗り塗料を密着させる下塗り剤がプライマー、下地への塗料の吸い込みを防止する下塗り剤がシーラーと区別されることもありますので、このような違いを把握しておくと良いでしょう。

「プライマー」や「シーラー」の重要性とは?

本来の使用目的や役割がわかったところで、重要性についても把握しておきましょう。 なぜ、塗装作業にプライマーやシーラーが必要なのか、その理由についてご紹介します。

上塗りとの密着度を高める

プライマーやシーラーと外壁や屋根に塗装することで、その後に行う上塗り塗料と密着度を高める働きがあります。 塗料の密着力が低下すると、塗膜が剥がれたり、色ムラが発生する原因になります。 下塗りを施すことによって、塗装面が均一に整えられます。 外壁や屋根は、経年劣化や様々な要因によってひび割れが発生することも多く、そのまま新しい塗料を重ねても綺麗に仕上がりません。 高圧洗浄や下処理を経て、プライマーやシーラーを塗装することで綺麗な下地が整います。

中塗り・上塗り塗料の下地への吸い込みを防ぐ

プライマーやシーラーなどを塗装せず、いきなり中塗りや上塗り塗料を重ねると下地が吸い込んでしまいます。 塗装面に傷みがあるほど、塗料の吸収率は高くなってしまい、思っていたような綺麗なデザインとは程遠くなってしまうでしょう。 プライマーやシーラーは、塗料が下地へ吸収されるのを抑制する働きがあります。 吸い込みが発生すると、当然施工に必要な塗料が足りなくなるという事態も起こります。 しかし、中塗りや上塗りの間に下塗り作業を入れることで、下地が塗料を吸い込むのを防止できるので、材料が足りなくなる心配も不要です。

塗装の性能を十分に発揮させる

外壁や屋根塗装で使用する塗料には、それぞれ性能が含まれています。 耐久性や耐候性、低汚染性、防カビ性などいずれも住宅を守るために欠かせない性能です。 中塗りや上塗り塗料だけでなく、下塗り塗料にもこのような性能が備わっています。 建材や下地部分の状況、上塗りに合うものを選ぶことでより効果を発揮させます。 全て正しい材料を使用し、丁寧に施工することで丈夫な住宅を作ることができ、長期間安心・安全に過ごすことができます。

上塗り塗料の発色を良くさせる

多くの場合、ホワイトカラーを使用して下塗りが施されています。 プライマーやシーラーを前段階で使用することで、上塗り塗料の発色が良くなります。 最後の仕上げとなる上塗りが、美観を決める工程になりますので、発色が良くなることでさらにイメージ通りのデザインになるでしょう。 反対に、下塗りを省いてしまうと、下地部分に直接仕上げの塗料を重ねるため、色ムラが発生しやすいです。 より鮮やかに色を映すためには、下塗りが肝心となります。

まとめ

プライマーやシーラーは、外壁・屋根塗装で用いる下塗り剤の呼称です。 現在は、あまり区別なく扱われており、同じ意味合いで用いているメーカーも存在します。 ただし、本来の使用目的や適している建材などが異なりますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。 金属系の建材にはプライマーを使用したり、モルタルやサイディングにはシーラーという使い分けもあります。 どちらにしても、塗装には欠かせない工程になります。 下塗り剤の役割や重要性を十分に理解することが大事です。 イメージ通りのデザインに近づけるためにも業者と相談して適している種類を選ぶようにしましょう。
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