外壁塗装後の仕上がりに関するトラブルの原因と対処法

外壁塗装後に発生しやすいトラブルとその対処法を解説します。

イメージしていた仕上がりと違った

代表的なトラブルとして、イメージ通りに仕上がらないケースが挙げられます。具体的には、思っていたよりも色が薄い、濃いなどが考えられるでしょう。主な原因は、塗料の色を正しく把握できていなかったことです。塗料の色は、原則として色見本で確認します。ただし、色見本と外壁では、色の見え方が異なります。周囲の環境や面積に違いがあるためです。照明と太陽光では、色の見え方が変わります。また、面積が大きくなると、彩度、明度とも高く見えます。これらを踏まえずに色を選ぶと、イメージとは異なる仕上がりになってしまうのです。A4サイズの塗り板で色を確認したり、外壁に塗料を試し塗りしたりすることで、仕上がりに近い色を確かめられます。

すぐに塗装がはがれる、色あせが生じた

塗装がすぐに剥がれてしまうことや色あせが短期間で生じることもあります。これらのトラブルは、施工ミスや手抜き工事で発生する恐れがあります。具体的には、高圧洗浄や下地処理を適切に行えていない、下塗りの塗料が不足しているなどが考えられるでしょう。基本の対策は、実績や口コミをもとに、信頼できる業者を選ぶことです。同様に、保証が充実している業者を選んでおくことも欠かせません。保証があれば、これらのトラブルに無償で対応してくれる可能性があります。

すぐにサビが出てきた

施工後にサビがでて、外壁の外観が悪くなってしまうこともあります。外観をよくするために行った工事で、外観が悪くなるとがっかりしてしまう方が多いでしょう。この場合も、施工ミスや手抜き工事が考えられます。具体的には、塗りの回数（通常は下塗り、中塗り、上塗りの3回）が不足して十分な防水性を確保できていない、下地処理を適切に行えていないなどの恐れがあります。業者のミスで生じるケースが多いため、信頼できる業者、保証が充実している業者を選ぶことが大切です。施工ミスを完全に防ぐことはできませんが、これらの条件を満たす業者であれば、トラブルが生じたときに迅速に対応してくれます。

予定になかった箇所まで塗装された

予定していなかった箇所まで塗装されることもあります。雨どいやサッシが塗装される場合が考えられます。住宅のイメージが変わってしまうため注意が必要です。主な原因は、業者の確認不足です。営業担当者と職人のコミュニケーション不足で引き起こされることもあります。トラブルを防ぐため、塗装する箇所を詳細に確認して、記録に残しておくことが大切です。業者のミスとわかれば、やり直しを求められます。一般的に、塗装業者の職人は、指示がない箇所を塗装すると考えられています。養生の手間を省けるためです。「とりあえず」で塗装されないため、事前の打ち合わせを徹底しましょう。

塗装箇所以外のトラブルの原因と対処法

外壁塗装では、塗装箇所以外でトラブルが発生することもあります。ここでは、その原因と対処法を紹介します。

物の破損

外壁塗装中に、自宅のものが壊され傷つけられることがあります。例えば、自動車が傷つく、植木鉢が転落して割れるなどが考えられるでしょう。主な原因は、足場業者を含む業者の不注意やミスです。ものが破損した場合は、状況がわかる写真を撮影して、担当者に相談するとよいでしょう。損害を伝えると、原則として補償を受けられます。また、トラブルを防ぐため、破損の恐れがあるものを安全な場所へ移動させておくことも大切です。

高圧洗浄の際、水が家の中に侵入した

外壁塗装の工事では、高圧洗浄機で外壁についている汚れや古い塗膜などを洗い流します。このとき、室内に浸水することがあります。主な原因は、窓の閉め忘れや換気扇の切り忘れです。また、業者のミスや確認不足も原因になりえます。例えば、水圧が高すぎると、窓を閉めていても室内に浸水することがあります。水が浸入した場合は、担当者に報告して、拭き取りをお願いするとよいでしょう。窓の閉め忘れや換気扇の切り忘れは、工程表を確認すると防げます。

塗料が車や植物についてしまった

飛散した塗料が、自動車や庭木などに付着することもあります。塗料の飛散を完全に防ぐことは難しいため注意が必要です。主な原因として、養生を適切に行えていないことがあげられます。施工業者に相談して、養生を丁寧に行ってもらうとよいでしょう。ただし、塗料の種類によっては、養生をしていても飛散して付着してしまうことがあります。したがって、移動できるものを移動させておくことも大切です。自動車などに塗料が付着した場合は、補償を受けられる可能性があります。被害の状況を写真で撮影して、担当者に相談してみてはいかがでしょうか。

近隣の方との外壁塗装トラブルの原因と対処法

外壁塗装の工事で、近隣の方とトラブルになることもあります。ここでは、その原因と対処法を解説します。

工事の情報が伝わっていない

工事の情報が伝わっておらず、近隣の方から注意を受けることがあります。主な原因は、工事前の挨拶を行えていないことです。大きな音が発生するなど、一時的に生活環境が変わるため、情報が伝わっていないと近隣の方を驚かせてしまいます。すべての業者が、工事前の挨拶を行っているわけではありません。トラブルを防ぐため、挨拶をお願いしておくことが大切です。また、時間に余裕があれば、施主も一緒に挨拶を行いましょう。好印象を与えられるため、外壁塗装工事に協力してもらいやすくなります。

工事の音がうるさい

近隣の方から騒音について指摘を受けることもあります。外壁塗装工事では、高圧洗浄を行うときやスプレーガンを使用するときなどに大きな音が発生します。また、足場の組立、解体時も大きな音が発生するでしょう。これらの騒音を完全に防ぐことは難しいのが現状です。したがって、指摘を受けたときに謝罪をして、理解を得ることが大切です。また、工事前の挨拶で騒音が発生するタイミング、期間などを説明しておくと、指摘を受けにくくなります。近隣の方と良好な関係を築くため、誠実な対応を心がけましょう。

塗料の臭いがきつい

塗料の臭いについて、近隣の方から指摘を受けることも考えられます。有機溶剤を主成分とする油性塗料は、特に指摘を受けやすいと言えるでしょう。塗料の臭いも、完全になくすことはできません。したがって、工事前に近隣の方へ挨拶をして、臭いが発生する期間などについて説明しておくことが大切です。指摘を受けた場合は、誠意を込めて謝罪しましょう。また、トラブルを防ぐため、臭いが発生しにくい塗料や花の香りがする塗料を使用することも考えられます。興味がある方は、業者に相談してみるとよいでしょう。

路上駐車が迷惑

工事用車両の路上駐車について、近隣の方から指摘を受けることもあります。通行や車庫入れの邪魔になってしまうためです。工事を始めると、現場に複数台のトラックが出入りします。近隣の方に迷惑をかけないように、業者と打ち合わせをして、駐車スペースを確保しておくことが大切です。ただし、現場から離れると、荷物の運搬などに手間がかかるため、工事費用が割高になってしまいます。この点も加味して、駐車スペースを決定しましょう。

従業員のマナーが悪い

近隣の方から、マナーの悪さを指摘されることも少なくありません。例えば、ゴミを片付けない、大声で談笑してうるさい、路上喫煙をしているなどが考えられます。従業員のマナーが悪いと、近隣の方に不快な思いをさせてしまいます。指摘を受けた場合は、責任者に報告して、態度を改めてもらいましょう。また、口コミなどを参考に、トラブルを起こしていない業者を選んでおくことも大切です。

外壁塗装トラブルが起こった際の相談窓口

注意をしていても、外壁塗装のトラブルに巻き込まれることがあります。ここからは、トラブルの相談先を紹介します。

消費生活センター

専門の相談員が、消費者から寄せられる消費生活全般の苦情、問い合わせを受けて、公正な立場で処理をする機関です。独立行政法人国民生活センターと連携して、地方自治体が運営しています。全国共通の電話番号（消費者ホットライン）は「188」です。こちらに電話をすると、身近な消費生活センターの相談窓口へつないでくれます。円滑なサポートを行うため、氏名・住所・電話番号・性別・年齢などの情報提供を求められます。 出典：消費者庁「消費者ホットライン」

国民生活センター

国民生活の安定と向上を目指して、国民生活に関する情報提供、調査研究などを行っている独立行政法人です。消費者ホットライン（188）から消費生活センターへ電話をつなげられないときに、相談を受け付ける「消費者ホットライン　平日バックアップ相談」を実施しています。受付時間は平日の10時～12時と13時～16時（年末年始を除く）、電話番号は「03-3446-1623」です（電話番号はアナウンスされます）。また、消費生活センターが開所していない土日祝日の10時～16時（年末年始を除く）に、消費者ホットライン（188）で相談を受け付ける「国民生活センター　休日相談」も実施しています。消費生活センターにつながらない場合は、国民生活センターへ相談するとよいでしょう。 出典：独立行政法人国民生活センター「全国の消費生活センター等」

住宅リフォーム・紛争処理支援センター

住宅やリフォームに関する相談を受け付けている国土交通省指定の機関です。技術的な問題から法律的な問題まで、建築士の資格をもつ専門家に相談できます。リフォームに関する相談窓口は「03-3556-5147」、受付時間は平日10時～17時（年末年始を除く）です。リフォームの見積書を確認して助言する「リフォーム見積チェック」も実施しています。必要に応じて、弁護士・建築士と対面で相談する「専門家相談」を利用することもできます。 出典：公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター

保険会社

加入している保険から補償を受けられる場合は、同商品を展開している保険会社に相談できる可能性があります。また、業者が損害保険に加入している場合は、同商品を展開している保険会社が業者に代わって話し合いを行うこともあります。具体的な対応は状況により異なりますが、保険会社も相談窓口になりうると言えるでしょう。

弁護士

何かしらのトラブルが発生した場合は、弁護士に相談することもできます。弁護士を選ぶときは、得意分野に注意が必要です。すべての弁護士が、建築分野に精通しているわけではありません。公式サイトなどで実績を確認すると、リフォーム関連に詳しい弁護士を見つけられるでしょう。弁護士費用の捻出が難しい方は、無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できる法テラスを利用するとよいかもしれません（利用には要件があります）。

外壁塗装トラブルを防ぐための業者選びのポイント

続いて、信頼できる業者の選び方を解説します。

施工実績

一般的に、実績豊富な業者は信頼性が高いと考えられています。利用した多くの方が満足していると考えられるためです。また、実績数に応じたノウハウも蓄積していると考えられます。ただし、公式サイトに掲載されている実績は、業者が一方的に発信している情報です。過去に起きたトラブルを隠している可能性があります。したがって、口コミなどで、実際に利用した方の感想を確かめておくことも大切です。

外壁塗装に関する資格を有しているか

外壁塗装関連の資格を保有している業者も、信頼性が高いと言えます。一定レベル以上の知識や技術を有しているためです。外壁塗装に関する国家資格として、1級、2級「塗装技能士」があげられます。1級の受験資格は「7年以上の実務経験など」、2級の受験資格は「2年以上の実務経験など」です。有資格者は、一定以上の知識・技術・経験を有している職人と言えるでしょう。

詳細な見積書の提示はあるか

見積書の内容にも注意が必要です。合計金額の根拠が明確に示されている見積書は、信頼性が高いと言えます。不明瞭な料金を紛れ込ませることができないためです。一方で、料金の内訳が明らかにされていな見積書は、信頼性が低いと考えられます。「工事一式：100,000円」などと記載されている見積書などが該当します。このような記載では、何にいくらかかっているかがわかりません。見積書に不明な点がない業者を選びましょう。

相場の料金とかけ離れていないか

外壁塗装工事の料金には相場があります。見積金額が相場からかけ離れている業者にも注意が必要です。割高な料金を請求していたり、必要な工事を省いていたりする恐れがあります。料金の相場は、複数の業者から見積もりをとると把握できます。ポイントは、見積もりの条件をできるだけ揃えることです。明確な理由がないにもかかわらず、料金が高すぎる業者、安すぎる業者は、避けるほうがよいでしょう。

工事保障とアフターフォロー

保証とアフターフォローもチェックしておきたいポイントです。信頼できる業者に依頼しても、一定の確率で施工ミスなどのトラブルが発生します。これらが充実していれば、トラブルが発生したときに適切なサポートを受けられます。具体的なサービスは業者で異なるため、保証の内容、期間、条件、アフターフォローの内容などを確かめておくことが大切です。

業者を慎重に選んで外壁塗装のトラブルを避けましょう

ここでは、外壁塗装のトラブルについて解説しました。よくあるトラブルとして「イメージ通りに仕上がっていない」「自動車に塗料が付着した」「近隣の方から騒音を指摘された」などがあげられます。さまざまなトラブルが起こりうるため、信頼できる者を選ぶことが大切です。信頼できる業者は、実績や資格などを確認すると見つけられます。この記事を参考に、外壁塗装工事を進めてみてはいかがでしょうか。   狭山市の外壁塗装なら株式会社喜多建設