外壁塗装で使われる「ボンタイル」って何?
ボンタイルは、どうやって施工するの?
公開日: 2022年01月31日 / 更新日: 2025年03月29日
近隣の住宅で、凸凹した外壁を目にすることはありませんか?
そのような外壁であれば、ボンタイルで仕上げている可能性が高いです。
外壁塗装をおこなう際には、特徴だけでなく工程や注意点を把握しておくことが大事です。
今回は、ボンタイルの工程や注意点についてご紹介します。
さらに、ボンタイルのメンテナンスの時期についてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。


ボンタイルとは、外壁塗装を施工した際に現れる模様のことを指します。
特徴として、表面が凸凹になっていますが、触るとツルツルしています。
工程や注意点について、以下の記事でご紹介します。
ボンタイルについて
ボンタイルとは、先程も述べたように表面が凸凹しており、触るとツルツルしていることが特徴です。
こちらでは、ボンタイルについて名前の由来や種類についてご紹介します。
「ボンタイル」の名前の由来
ボンタイルとは、一般的なレンガのようなタイルを意味しているわけではありません。
名前の由来は、1960年代に西ドイツのクノールという会社が使用し始めた商品名と言われています。
タイルというワードが入っているため、粘土や長石などを焼いて作る正方形や長方形のものを想像する人も多いと思いますが、それとはまったく異なります。
そのため、形はタイル状ではありませんので、外壁塗装をおこなう際には覚えておきましょう。
ボンタイルの種類
ボンタイルは、大きく分けて2種類あります。
硬質タイプと弾性タイプがあり、それぞれメリットやデメリットが異なります。
硬質タイプは、費用面は負担が少ないですが、ひび割れしやすいという欠点があるボンタイルです。
弾性タイプは、ひび割れに追随するという特性があります。
さらに、防水性に優れていたり、汚れにくいという特長もあります。
しかし、メンテナンスが不要というわけではありませんので、定期的に確認することが大事です。
ボンタイルのメリットとは?
外壁塗装を検討する際に、気になるのが施工によるメリットです。
もちろん、ボンタイルにも多くのメリットがあります。
こちらでは、外壁をボンタイルで仕上げた場合のメリットについてご紹介します。
汚れが付着しにくい
ボンタイルの表面は、凸凹はしていますがツルツルしています。
空気中のホコリやゴミが流れ落ちやすいため、汚れが付着しにくいです。
ボンタイルの外壁であれば、汚れが付着したとしても、表面がツルツルしているので、雨水で洗い流されます。
また、自分でもホースなどで簡単に洗い流せるでしょう。
外壁の汚れが蓄積すると、色が褪せてしまい塗装直後の美観は損なわれてしまいます。
そこで、ボンタイルを選ぶと、汚れが蓄積しにくいため長く美観を保つことができるでしょう。
汚れない外壁は、メンテナンスの頻度も抑えられるため、非常にメリットが大きいと言えます。
防水性が高い
ボンタイルは、防水性が高いというメリットもあります。
外壁に起きる劣化症状の一つに、触れると白い粉が付着し、色褪せてしまう「チョーキング現象」がありますが、これは外壁の防水性が低下していることが原因となります。
チョーキング現象を放置していると、塗膜の剥がれやひび割れに繋がるため住宅にとってリスクが高くなってしまいます。
しかし、ボンタイルは防水性が高いため、劣化症状の発生を抑えることができ、長期間外壁を守ることができるでしょう。
外壁は年数が経過すると、どうしても経年劣化によって防水性は低下してしまいます。
そのため、ボンタイルのように防水性が高い施工を選ぶことは重要となります。
オリジナル性の高いデザイン
ボンタイルの特徴といえば、表面の凸凹した模様です。
この模様は、ボンタイルであれば全て同じデザインというわけではなく、職人の腕によって変化します。
同じボンタイルの外壁でも、全く違った見え方になるでしょう。
つまり、オリジナル性の高い外壁に仕上げることができると言えます。
外壁の細かい部分までデザインをこだわりたいという方は、満足できる仕上がりとなるでしょう。
ボンタイルの施工方法とは?
ボンタイルを施工するときの工程についてご紹介します。
ボンタイルの基本的な工程は、次の通りです。
①外壁を洗浄する
②下塗り
③塗料をスプレーガンで吹き付ける
④コテやローラーで凸凹を押さえて、模様付けする
ボンタイルの特徴である凸凹模様は、毎回同じ模様は出ません。
スプレーガンで吹き付ける作業も容易ではなく、均等に吹き付ける技術が必要です。
同じ工程をおこなっても、ボンタイルの凸凹模様は、施工する職人よって全くことなる仕上がりになります。
ボンタイルのリシン・スタッコとの違いとは?
ボンタイルと似た施工に、「リシン吹き付け」と「スタッコ吹き付け」があります。
3つの施工は、特徴や仕上がり、耐用年数、材料にそれぞれどのような違いがあるのか、ご紹介します。
ボンタイの特徴・仕上がり・耐用年数・材料
ボンタイルの外壁は、ツルツルしており陶器のようになめらかな仕上がりになります。
リシンやスタッコとは全く違う手触りになり、仕上がりも異なります。
主な材料は、寒水石や合成樹脂、軽量骨材などです。
耐用年数は上塗り塗料によって変化しますが、汚れが付着しにくく、防水性が高い特徴があります。
リシン吹き付けの特徴・仕上がり・耐用年数・材料
リシン吹き付けによる外壁は、表面がざらざらしており、直接触ると痛いです。
主に、セメントやアクリル、破石配合物などの材料でできており、耐用年数は約6〜8年です。
メリットとしては材料費が比較的安価であり、施工期間も短いですが、通気性や透湿性に優れています。
ただし、凸凹した表面に汚れが付着しやすく、ひび割れが起きやすいという特徴もあります。
スタッコ吹き付けの特徴・仕上がり・耐用年数・材料
スタッコ吹き付けによる外壁は、表面の凸凹が大きく、ざらざらしています。
主な材料は、石灰や水、砂です。
耐用年数は約10〜12年と比較的長めとなっています。
スタッコで仕上げると、重厚感のあるデザインになるため、高級感を表現したい方におすすめです。
ただし、リシン同様に表面が凸凹しているため、汚れが付着しやすいです。
ボンタイルで外壁塗装をする際の注意点
外壁塗装をボンタイルでおこなう際には、以下の注意点があります。
工程数が多いため、費用が高くなる
ボンタイルで外壁塗装をおこなうと、通常よりも工程数が多くなります。
それに伴い、施工費用が高くなります。
ボンタイル以外の施工は、基本的に3工程で仕上げることができますが、ボンタイルは最低でも4工程必要です。
工程が増えることで、必要な材料費用や作業費用が高くなります。
デザインの良し悪しが職人の腕で変わる
先程も述べたように、ボンタイルは必ず同じ凸凹模様に仕上がるわけではなく、職人によってデザインの良し悪しが異なります。
ネットで検索したボンタイル模様と全く同じ仕上がりになるとは言えませんので、依頼する業者のサンプルなどを参考にしましょう。
満足できるデザインの外壁に仕上げるためには、信頼と実績のある業者に依頼することが大事です。
ボンタイルは、技術が必要な施工方法となるため、業者選びは大事なポイントになります。
ボンタイルのメンテナンス時期はいつ?
ボンタイルは、弾性タイプを選択すると汚れにくく、ひび割れもしにくいですが、定期的なメンテナンスは必要です。
こちらでは、ボンタイルのメンテナンスのタイミングについてご紹介します。
以下のような時期や、現象を発見した場合は早急に業者にメンテナンスを依頼してください。
外壁塗装から10年~15年経過した時期
ボンタイルのメンテナンス時期として、前回の施工から10年~15年経過したときが理想的です。
どれだけ高性能の塗材を使用していても、メンテナンスが永久に不要というものは、ほぼほぼ存在しません。
ボンタイルは表面の凸凹模様が特徴的ですが、年数が経過すると崩れてきやすくなります。
10年経過する時期に、一度メンテナンスをおこなうと良いでしょう。
長く外壁を保っていくためにも定期的なメンテナンスは必要です。
チョーキング現象が起きている
外壁に触れると白い粉のようなものが手に付く「チョーキング現象」は、メンテナンス時期の目安となります。
チョーキング現象は、紫外線や雨水などのダメージが積み重なることで起きてしまう現象です。
メンテナンスの緊急性が高いわけではありませんが、チョーキング現象は防水性が低下することで起きるため、数年以内に塗装をすることをおすすめします。
ひび割れが起きている
外壁にひび割れが起きている場合は、それ以上悪化してしまう前にメンテナンスが必要です。
ひび割れは、髪の毛のように細いヘアークラックと呼ばれるものから、さらに深くて大きい構造クラックと呼ばれるものがあります。
緊急性が高いひび割れは、構造クラックの状態にある外壁です。
しかし、ヘアークラックの状態でも放っておくと、雨漏りの原因やひび割れが悪化して、さらに大がかりなメンテナンスが必要になってしまう可能性があります。
先程述べたメンテナンス時期よりも早い段階で発生してしまう可能性はゼロではありませんので、ひび割れを発見した際には早急に業者に依頼しましょう。
塗膜が剥がれている
住宅全体の外壁の塗膜が剥がれている場合は、早急にメンテナンスが必要です。
部分的な塗膜の剥がれは、緊急性は高くありませんが、見つけた場合は他にも広がっていないか確認してみましょう。
塗膜の剥がれは、施工から年数が経過することで発生するケースと施工不良によって発生するケースがあります。
明らかに施工から年数が経っていない場合は、再塗装してもらえる可能性もあるので、外壁塗装を依頼した業者に再度連絡を入れてみてください。
放置していると、どんどん外壁の傷みが進行し、せっかくの機能が役割を果たしません。
また、景観も損なわれますので、早めにメンテナンスをおこなうことが大事です。
ボンタイルの外壁塗装を成功させるポイント
外壁塗装をボンタイルで綺麗に仕上げたい場合は、以下の4つのポイントを抑えておきましょう。
外壁塗装を検討する際の参考にしてみてください。
実績が多く評判が良い業者を選ぶ
外壁塗装を成功させるためには、業者選びが重要なポイントとなります。
実績が多く、地域の評判も良い業者を選ぶようにしましょう。
特に、ボンタイルは職人の腕によって、特徴の一つである凸凹模様の良し悪しが決まります。
慣れていない職人に依頼すると、イメージと異なるデザインに仕上がってしまい、後悔してしまうでしょう。
業者のホームページなどで実績や施工に関する情報を確認できます。
口コミなども調べてみて、信頼できる業者を選定してみてください。
見積書の内訳を確認しよう
外壁塗装を検討する場合、見積書の内訳もしっかり確認しておくべきです。
特に、ボンタイルは他の施工と比べて工程が多いため、施工内容や塗料、費用などを見積書で把握しておくことが大切です。
なかには、手抜きをする悪徳業者もいますので、内訳で確認しておくことで施工不良を防げます。
工程ごとに細かく内容が記載されているのか確認しておきましょう。
また、保証に関する項目もチェックしておきたい部分です。
塗装後のトラブルを避けるためにも、施工に入る前に内訳を把握することは重要となります。
複数の業者で見積もりを行い比較する
塗装業者を選ぶ際に、複数の業者に見積もりを依頼し、比較してみることもおすすめです。
比較することで、期間や費用など自分にとって一番良い施工をしてくれる業者を見つけることができます。
いきなり一社で決めてしまうと、本来はもっと良い塗料があった、もっと安くできたと後から分かってしまう可能性もあります。
外壁塗装は実施する機会が少ないからこそ、慎重に業者を選ぶことが大切です。
訪問業者には注意!
外壁塗装を検討する場合、訪問業者には注意をしておきましょう。
なかには、良い業者もいますが、悪徳業者に引っかかってしまうケースも少なくありません。
不安を煽るような文言で契約を迫ってきたり、充分な診断を行わずに見積書を作成したりという業者もいるようです。
外壁塗装を実施する際には、まず住宅のどの部分に異変が起きているのかを診断・見積もりを行います。
また、外壁塗装の金額を大幅に下げるというようなことはありません。
いきなり契約を押し付けてきたり、あまりにも格安なプランやキャンペーンを案内される場合は、気をつけましょう。
まとめ
ボンタイルとは、凸凹模様と滑らかな手触りが特徴的な外壁の模様の1つです。
名前にタイルと入っていますが、レンガのような形をしているわけではなく、西ドイツの商品名が由来となっています。
弾性タイプのボンタイルは、防水性や低汚染機能に優れており、ひび割れも起きにくいです。
注意点としては、工程が通常よりも多いことで費用が高くなることやデザインが職人によって異なる点が挙げられます。
ボンタイルで外壁塗装する場合は、注意点と一緒にメンテナンス時期についても確認しておくことをおすすめします。
今回ご紹介した内容を参考に、外壁塗装に活かしてみてください。
監修者
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喜多 史仁
株式会社喜多建設 代表取締役社長
<略歴>
高等学校を卒業後に、2代目有限会社喜多塗装店(株式会社喜多建設の前身)に塗装見習いとして入社。その後、大手自動車メーカー子会社を経験し、2000年に3代目有限会社喜多コーポレーションに職長及び取締役として入社。
2007年に社名を株式会社喜多建設に変更を機に代表取締役に就任。
埼玉県狭山市・川越市・所沢市を中心に地域に密着した外壁塗装を強みとしています。<喜多建設のこだわり>
喜多建設では、不安や疑問を持った状態で外壁塗装をすることがないようにお客様への丁寧なご説明をモットーとしております。
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