ラジカル塗料を勧められたけど、どのような特徴があるの?
公開日: 2022年05月24日 / 更新日: 2025年01月15日
外壁や屋根塗装を行う場合、業者との打ち合わせで様々な種類の塗料を提案されますよね。
しかし、いくら業者が勧めるとはいえ、聞いたことがない塗料を使うとなると不安があるものです。
最近は、メリット面が大きいことからラジカル塗料を勧める業者が増加している傾向にあります。
ラジカル塗料とは、どのような塗料なのでしょうか?
今回は、ラジカル塗料の特徴・仕組み、さらにメリットやデメリットを詳しくご紹介します。


ラジカル塗料とは、アクリルやシリコンといった樹脂系塗料にラジカル制御した塗料です。
安価で高性能というメリットもありますが、まだ実績が少ないため耐用年数が不明瞭であるという点がデメリットとして挙げられます。
以下の記事で詳しくご紹介します。
ラジカル塗料とは?
ラジカル塗料の正式名称は「ラジカル制御型塗料」と言い、ラジカルを制御する酸化チタンを使用している塗料のことを指します。
2012年に日本ペイント株式会社から開発・販売された、外壁・屋根塗装で用いられる塗料の中でも新しい塗料です。
これまでは、アクリル樹脂を主成分としたアクリル系塗料や、シリコン樹脂を主成分としたシリコン系塗料が主に用いられていました。
ラジカル塗料は、このような樹脂が主成分である塗料とは違って、そもそものベースがアクリル系塗料やシリコン系塗料です。
それまでの従来の塗料に特殊な成分を配合して完成した塗料がラジカル塗料となります。
そもそも「ラジカル」って何?
ラジカル塗料のラジカルとは、外壁や屋根塗装で使用する塗料に含まれる顔料が、紫外線や雨水などの影響を受けて発生するエネルギーのことを指しています。
ラジカルが発生すると、塗装した外壁や屋根は塗膜が劣化してしまい、様々な症状が現れてきてしまいます。
ラジカル塗料は、この劣化の原因となるラジカルを制御する働きがある塗料となります。
ラジカル塗料の特徴・仕組み
ラジカル塗料は、外壁や屋根にとっての劣化因子である「ラジカル」の発生を抑えるための成分が配合されています。
それは、「高耐候酸化チタン」と「光安定剤」です。
高耐候酸化はラジカルバリアというラジカルの放出を抑える働きがあり、光安定剤には発生したラジカルの活動を抑える働きがあります。
従来の塗料には、含まれていないラジカルの発生・活動を抑える成分が配合されているので、外壁や屋根塗装に用いると大きな効果が得られます。
ラジカル塗料のメリット
従来の塗料にはない成分が含まれていることから、様々なメリットがあります。
こちらでは、外壁・屋根塗装に使用するメリットについてご紹介します。
安価で高性能である
安価であるうえに高性能という、非常にコストパフォーマンスが良い点がメリットとして挙げられます。
新たな機能が追加されると、価格も高額に変化していくものです。
しかし、従来の塗料には特殊な成分が含まれているにも関わらず、価格は一般的な塗料と大差がありません。
劣化の原因となるラジカルを抑えるという高い性能が含まれていながら、安価であるということで業者からおすすめされることも多いでしょう。
チョーキング現象に効果的
外壁の劣化症状であるチョーキング現象が発生しにくくなるというメリットもあります。
チョーキング現象とは、外壁にチョークのような粉が現れる劣化現象で、紫外線や雨水などが原因となります。
放置していると、外観が損なわれるだけでなく、外壁が保護されなくなってしまい内部まで腐食してしまうというリスクがあります。
ラジカル塗料を使用することで、チョーキング現象の原因である紫外線や雨水から外壁を守ることができます。
汚れにくく色もちが良い
ラジカル塗料は、紫外線や雨水などの影響によって発生するラジカルが抑えられるため、外壁や屋根が汚れにくく色もちも良いというメリットがあります。
また、防汚性や防カビ性に優れているという特徴もあり、外壁や屋根を汚れから守ってくれます。
塗膜を守ることができるため、色褪せを防ぐことができ、長期間綺麗な状態を保ち続けられるでしょう。
ラジカル塗料のデメリット
メリットが多い一方で、デメリット面もいくつか存在します。
デメリットを抑えておくことも外壁・屋根塗装で重要になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
実績が少なく耐久性が不明瞭である
開発・販売されてからまだ約10年ほどしか経っておらず、正確な耐久性が実証できるほどの実績がないということがデメリットとして挙げられます。
ラジカル塗料の耐用年数は、最長で約15年と公表されていますが、2012年の販売からまだそれほど年数が経っていません。
2027年ごろにならないと、充分な成果が確認できないということから、公表されている耐久性が不明瞭なことが少し不安点ではあります。
しかし、劣化因子であるラジカルを抑える働きがあるため、今後取り入れる業者が増えるとともに効果もさらに立証されるでしょう。
濃い色の塗料は効果が発揮されない場合がある
そもそも、ブラックやブラウンのような濃い色はラジカルが発生しにくい色です。
そして、ラジカル塗料の主成分である高耐候酸化チタンの主成分は白色です。
よって、濃い色を外壁や屋根塗装で使用したい場合、ラジカル塗料本来の効果が発揮されない可能性があります。
ラジカル塗料の種類によっては、濃い色が作られていないというケースもあるでしょう。
外壁に比べて濃い色を用いることが多い屋根塗装用の塗料に、ラジカル塗料が少ないこともこのことが理由となります。
ブラック系やブラウン系などの濃い色で外壁・屋根に塗装したいという方は、事前にカラーサンプルなどで確認が必要です。
参考記事:失敗したらどうしよう!外壁の色をイメージ通りにするためのポイントとは?
まとめ
ラジカル塗料は、紫外線や雨水によって発生するラジカルを抑える働きがある塗料です。
2012年に発売されたばかりという、新しい種類のものになります。
外壁に発生しやすいチョーキング現象に効果的であったり、防汚性・防カビ性に優れています。
よって、長期間綺麗な外観を保つことができるでしょう。
まだ、実績が少ないという点もありますが、高性能であるためこれからの外壁・屋根塗装の主流となるでしょう。
メリット面やデメリット面を充分に把握して、塗料の選定の参考にしてみてください。
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