今回も引き続き「塗装できない屋根」をご紹介します。
前回のニチハ/パミールの記事はこちらです。
【塗装できない屋根】ニチハ/パミール
最近の屋根材の多くはカラーベストやコロニアルといわれるセメントや粘土を基材として繊維を混ぜて成形したものです。
パミールの時にも書きましたが、ノンアスベスト(無石綿)の商品になります。
製品名/コロニアル
NEO
メーカー/クボタ株式会社
製造期間/
2001~明確な年月日は不明
コロニアルNEOというのは、クボタ(現在はケイミュー)の製品で、最も普及している屋根材である「カラーベストシリーズ」の商品になります。
この屋根材の厄介な所を挙げますと…
●遠目で見るとカラーベストに似ている
●層状剥離(ただし、細かな剥離ではなく表裏で別れる感じ)
●築10年あたりからひび割れや欠け、または瓦の欠落がある
おおまかに挙げるとしたらこんな感じになります。
じゃあ塗装できないの?
塗装で何とかなるならそうしたいですよね。
結果から言いますと、
劣化状態がこれからご紹介する画像のようになる前でしたら塗れないことは無いです。
一つずつ見ていきましょう。
まずはこちらの画像です。
屋根材にひびが入り、割れて欠落しています。
しかも、下に敷かれたルーフィングシートが剥き出しになっています。
ここで一つ皆様のちょっとした勘違いを解こうと思いますよ。
●屋根瓦にひびが入っていて、雨漏れが心配。
●屋根瓦が欠けていて、雨漏れが心配。
どちらも雨漏れをご心配されると思います。住んでいる方からすれば当然そうですよね。
雨漏れが発生する場合
●工事の際の施工不良。
●ルーフィングシートが紫外線や熱、雨風によって劣化している。
●何かしらの原因でシート自体が破れた、穴が開いた。
代表的なものをご紹介しました。
まず、屋根材(瓦)にひび割れや欠けがあった場合でも、すぐには雨漏れは起こりません(上記の条件以外)。
ルーフィングシート(防水紙)がありますので、そこで
かろうじて雨が止まっている状態です。
かといって、シートがあるから放っておくのは建物自体を傷めていきますから、早めにご相談ください。
コロニアルNEOの層状剥離はおおむね2層に分かれた剥離をおこします。
表面と裏面という具合です。
この状態になってしまいますと当社でも塗装は出来かねます。すみません。
まず、紫外線や熱で膨張して雨風で冷やされます。これを繰り返していくとひび割れ(クラック)が発生します。
ひび割れから水が浸み込んでいき、劣化が進んでいきます。
当然、ひび割れた箇所から崩れて行くのです。
他にも見てみましょう。
この画像はコロニアルNEOの裏側(内側)から崩れています。
人が乗っていない箇所でこれですから、結構怖いものがありますよね。
こちらの画像は私達、喜多建設が屋根に上った際に発見して、お客様へご説明したものです。
何だかわかりますか?
確かに層状剥離を起こしてはいますが、周りに細かな破片が落ちていますよね。おまけに粉まで。
これは喜多建設が上る前に他の業者が上った跡です。劣化箇所も白く、屋根上に破片や粉が残っていること自体が物語っています。
屋根材の性質を知らない業者を登らせると、ひび割れや、欠けが広がってしまうのでご注意ください。
たぶん「大丈夫です」と言って登ったと思います。
さらに…
谷の所にある板金にも足跡がくっきりと残っていますが、普段私たちは板金の箇所は歩きません。
乗ったことによって、上の板金に隙間ができています。これはよろしくないです。ご注意ください。
このような形で劣化はどんどん進んでいきますし、仮に塗装工事の場合だと、高圧洗浄で屋根材が砕ける恐れがあります。
まとめ
●初期段階のひび割れ(クラック)程度の劣化なら補修して塗装はできる。
●層状剥離を起こしている、崩れている屋根には塗装はできない。
●次々と新たなひび割れを起こす。
※塗装できない場合は、カバー工法や葺き替えのご提案をさせていただきます。
保障問題として、
メーカーのクボタ(現在:ケイミュー)はリコールを発表していないのが事実です。
ここまで10年程度、屋根材として、屋根として機能してしまったので「崩れやすい」「割れやすい」と言いにくいのも事実です。
喜多建設では、実際に屋根に上り調査・測定させて頂きますので、ぜひ一度ご相談ください。
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株式会社 喜多建設
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