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「クリア塗料」の特徴とメリット・デメリットって何ですか?
外壁塗装を検討している方に向けて、クリア塗料の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
クリア塗装はあまり一般的ではないため、「普通の塗料と同じ?」「耐久性は?」「メリットは?」と悩まされる方が多いようです。確かに色のつく塗料とは異なるため、どのようなケースで選ぶべきか、どのように選ぶべきかが気になる場合もあるでしょう。
そこで今回の記事では、外壁塗装におけるクリア塗料について特徴やメリット・デメリット、向いているケースについて解説します。参考にしていただくことで、ご自宅の外壁にクリア塗装が適しているかどうかを判断しやすくなるでしょう。
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クリア塗装とは外壁塗装において、色のつかない塗料で塗装を行うことです。もともとの風合いを活かしたいときに活躍します。
しかし、外壁の種類によっては適していない場合があり、デメリットも存在します。
クリア塗料での外壁塗装を検討するなら、まずはご自宅の外壁がクリア塗装に適しているかどうかを判断することが重要です。
外壁塗装におけるクリア塗料の特徴
まずは外壁塗装におけるクリア塗料の特徴についてご紹介します。 【特徴】- 顔料を含まない
- 無色透明で色がつかない
- 下地の色や柄を塗りつぶさない
クリア塗料で外壁塗装をするメリット
「外壁塗装」と聞くと、外壁の色を変えることをイメージされる方も多いかもしれません。それでは無色透明のクリア塗料で、外壁塗装をすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?主な4つのメリットについて見ていきましょう。メリット1:外壁を長持ちさせる効果がある
まずは外壁を長持ちさせる効果があることです。クリア塗装に限らず外壁塗装すべてに言えることですが、塗装をすると外壁が長持ちしやすくなります。外壁に何も塗料を塗らないと、素材によってはすぐに水が染み込んだり、サビが出たり、傷ついてしまったりすることがあるものです。 しかし塗料には、外壁を紫外線や雨風から守るための役割があります。塗ることで外壁の表面に保護膜が形成され、外壁へのダメージを防いでくれるのが塗料です。クリア塗料にも同じ効果があり、塗料を塗ることにより外壁を長持ちさせやすくなります。メリット2:外壁の柄や色をそのまま残せる
外壁の柄や色をそのまま残せることは、外壁塗装においてクリア塗料特有のメリットです。顔料が含まれた塗料を塗ると、下地の色や柄、風合いは隠されてしまいます。 もとの雰囲気が気に入っている場合、新たな塗料を塗り重ねたくないと考える方もいるかもしれません。また住宅全体の雰囲気が変わってしまうことに抵抗がある方もいらっしゃいます。しかしクリア塗料であれば、外壁の柄や色をそのまま残せるため雰囲気を変えずに外壁塗装を行うことができます。メリット3:外壁に艶を出すことができる
続いてのメリットは、外壁に艶を出せることです。クリア塗料には艶を出す効果があり、塗装することにより、外壁をさらに美しく見せられるようになります。たとえば外壁塗装をして何年か経つと、塗料がくすんで艶がなくなったように見える場合があります。 艶がなくなったように感じられたら、上からクリア塗料を重ねてみてください。元の塗料の色がより鮮明で美しく見えるようになります。外壁の色は変えたくないけれど艶は出したいと感じたとき、クリア塗料は最適な選択肢となるでしょう。メリット4:工期が短縮できる
クリア塗料を用いると、外壁塗装自体の工期を短縮できることも大きなメリットと言えます。なぜなら顔料入りの塗料を用いるときと比べて、工程をひとつ減らせるためです。 顔料の入った塗料を塗る場合、「下塗り」「中塗り」「上塗り」と3つの工程を必要とします。しかしクリア塗料では「下塗り」の必要がありません。「中塗り」と「上塗り」の2つの工程だけで外壁塗装が完了するため、クリア塗装では工期が短縮され工事が早く終わります。クリア塗料で外壁塗装をするデメリット
クリア塗料での外壁塗装にはさまざまなメリットがありますが、メリットばかりではありません。デメリットもあります。これからクリア塗料での外壁塗装を検討している場合は、デメリットについても把握することが重要です。デメリット1:外壁のひび割れや傷が透けて見える
ひとつめのデメリットは、外壁のひび割れや傷が透けて見えてしまうことです。クリア塗料は無色透明であるため、もとからついていた外壁のひび割れや傷は隠せません。 外壁塗装の前に修理をすれば目立たなくなるでしょう。しかしそれでも、塗装の上から修理跡が見えてしまうことがあります。そのためあまりに大きなひび割れや傷がある場合は、クリア塗料ではなく、顔料を含む塗料のほうが美しく仕上がるはずです。デメリット2:色付きの塗料よりも早めに塗装する必要がある
色付きの塗料よりも、早めに塗装しなければならないこともデメリットのひとつでしょう。理由は、ひとつ前に解説した「外壁や傷が透けて見える」ことに由来します。 外壁塗装が古くなると、ひび割れや傷がつくなどの劣化が目立ってくるものです。顔料入りの塗料であれば劣化した部分も隠せるため、ひび割れや傷が見えてからの施工でも遅くはありません。 しかし外壁の劣化が進んでからクリア塗料で外壁塗装をしたとしても、ひび割れや傷が見えてしまいます。そのため顔料入りの塗料で塗るときよりも、早めに外壁塗装を行わなければならなくなります。クリア塗装が向いている外壁
外壁塗装におけるクリア塗料のメリットとデメリットを踏まえたうえで、クリア塗装が向いている外壁についてご紹介します。クリア塗装を希望されるなら、次のような外壁の条件を満たしているかどうか確認してみてください。向いている外壁1:劣化が少ない外壁
劣化が少ない外壁であれば、クリア塗装に向いていると言えるでしょう。先に解説した通りすでに劣化が見られる外壁であれば、クリア塗装では劣化を隠しきれません。 ひび割れや傷がすでにできてしまっている外壁であれば、顔料を含む塗料を用いたほうが美しく仕上がります。そのため、クリア塗装は劣化が少ない外壁に適しています。向いている外壁2:コンクリート
続いてはコンクリート製の外壁です。コンクリートの外壁塗装にクリア塗料を重ねると、外壁の耐久性が高まり、美しさが持続しやすくなります。コンクリートは素材として、水分が侵入しやすいこと、汚れがつきやすいことがデメリットです。しかし2つのデメリットは、クリア塗装を行うことでカバーできます。クリア塗装には撥水性があるため、雨水が侵入しにくくなり、結果的に外壁の耐久性を高めてくれることでしょう。コンクリートの質感や色を残せることもあり、外壁塗装ではクリア塗料がおすすめです。向いている外壁3:サイディング
サイディングの外壁にもクリア塗装が適しています。サイディングはデザイン性が高いことが特徴です。レンガ調や石目調、タイル調などさまざまなデザインがそろっています。外壁塗装にてせっかくのデザインを塗りつぶしてしまうのはもったいないでしょう。 そこで外壁塗装をする際には、クリア塗料を用いて、もともとのデザインを活かすことをおすすめします。外壁をサイディングにしているなら、クリア塗装にて外壁の良さを残す塗装が良いでしょう。向いている外壁4:モルタル
モルタルもクリア塗装に適している外壁材のひとつです。デザイン性が高く、デザイン重視で選ばれることが多いためです。モルタルの意匠性が気に入って取り入れたとしても、デザインが隠れてしまっては意味がありません。 しかし外壁塗装を行わなければ、耐久性が低くなってしまうのが難点です。そのためモルタルに外壁塗装をするなら、クリア塗料が適していると言えます。 クリア塗装の「艶が出る」という性質もあわせれば、モルタルへのクリア塗装は美しい仕上がりになるでしょう。クリア塗装に向いていない外壁
外壁塗装におけるクリア塗料は、劣化が進んでいない外壁であればさまざまなシーンで活躍します。しかし、クリア塗装に適さない外壁も存在します。クリア塗装を避けるべき外壁についても見ていきましょう。向いていない外壁1:クリヤー塗料を弾く外壁
外壁の中にはクリア塗料を弾く性質を持つものがあり、もし塗料を弾いてしまうようであれば向いていません。 具体的に、「光触媒機能」「親水性機能」がある塗料で外壁塗装を行ったことがある場合です。過去にこれらの機能を有する塗料で塗装を行った場合、クリア塗装は弾かれる可能性があります。 たとえ塗装したとしても、クリア塗料が剥がれやすくなるなどの施工不良が起こる可能性があります。クリア塗料を弾く外壁であれば、顔料を含む塗料で外壁塗装をするべきです。向いていない外壁2:金属系サイディングの外壁
金属系サイディングの外壁にも向いていません。理由は、表面が平滑であって塗料との密着性が悪くなるためです。密着性の悪い塗料を重ねるとすぐに剥がれてしまう可能性もあります。 さらに「金属」であるため、金属系サイディングではサビが生じやすい外壁材です。クリア塗装は顔料入りの塗料よりもサビ止めの効果が低いことがあり、外壁材の耐久性を高める最善の方法ではないかもしれません。 したがって金属系サイディングの外壁であれば、顔料入りの塗料のほうが相性が良いと言えます。向いていない外壁3:チョーキング現象が進行している外壁
チョーキング現象が進行している外壁にもクリア塗装は適しません。チョーキング現象とは、塗料の劣化により、塗料に触れたときに手にチョークのような白い粉が付着する現象のことです。 紫外線や雨風にさらされることにより、塗料が分解されて生じます。チョーキング現象が起きている外壁にクリア塗装を重ねると、白くぼやけたような仕上がりになることが多いものです。 もしクリア塗装で美しい仕上がりにするなら、一度外壁に顔料入りの塗料を塗って、クリア塗装にする方法が最善。しかし工期も費用もかさむため、チョーキング現象が進行している外壁ではクリア塗装は避けるべきでしょう。クリア塗料の耐用年数と費用の目安
これから外壁塗装を検討されているなら、クリア塗料の耐用年数と費用の目安についても知っておきましょう。塗料の種類 | 耐用年数 | 費用目安(1平米あたり) |
アクリル塗料 | 3~8年 | 1,000~2,000円 |
ウレタン塗料 | 5~10年 | 1,500~2,500円 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2,000~3,500円 |
フッ素塗料 | 12~20年 | 3,000~5,000円 |
無機塗料 | 10~25年 | 3,500~5,500円 |
クリア塗料の種類ごとの耐用年数・費用目安について
最も安価であるのはアクリル塗料によるクリア塗装です。ただしアクリル塗料は耐用年数が低いため、将来的な塗装の回数を考えると、トータルでは高額になる可能性があります。 対して最も耐用年数が長いのは無機塗料です。費用は高くなりますが、耐用年数の長さから頻繁に外壁塗装をしなくても良いのがメリットと言えます。 耐用年数、費用目安ともにあくまでも目安となりますが、外壁塗装を検討する際の参考としてご覧ください。クリア塗装ができないときの対処法
クリア塗装ができない場合は、一般的な顔料入り塗料、もしくは多彩模様顔料で塗る方法が考えられます。一般的な顔料入り塗料とは、色が含まれる塗料のことです。顔料が含まれる塗料であれば、劣化が見られたりクリア塗装を弾いたりする外壁にも問題なく重ねられるでしょう。 そして多彩模様顔料とは、デザイン性の高い質感を再現できる塗料のこと。たとえばチップを混ぜることで塗装後の立体感を演出するなどの工夫が施されています。顔料入りの塗料では表現できない、意匠性の高い質感を求めるときにおすすめです。 クリア塗装ができない場合は、顔料入りの塗料か多彩模様顔料を用いて外壁塗装を行ってください。外壁塗装でのクリア塗料はもとの雰囲気を活かしたいときに
いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、外壁塗装におけるクリア塗料の特徴についてご理解いただけたと思います。クリア塗装はもとの外壁の雰囲気を活かしたいときにおすすめの方法です。 もしクリア塗料で外壁塗装をしたいとお考えでしたら、喜多建設までお気軽にご相談ください。 創業103年の歴史の中で築いたノウハウによって、理想の外壁塗装をご提供いたします。東京都および埼玉県にお住まいの方は、ぜひお問い合わせください。
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