オリジナル塗料って何なんですか?
普通の塗料よりいい塗料なんですか?
「うちはオリジナル塗料を使えます」というセリフを、外壁塗装の営業マンがよく言うそうです。最近の塗料は化学技術の塊です。簡単に作れるものではないのですが……。
塗料メーカーのOEM商品です。
これを選ぶメリットは特にないです。
これは、訪問販売の外壁塗装の営業マンや、ハウスメーカーのメンテナンス担当の営業マンが言う「オリジナル塗料」のことでしょうね。
オリジナルと聞くと、よそでは手に入らない感じ、何だか特別な感じがしますよね。
オリジナル塗料とは、その「感じ」を狙うために作ったOEM商品です。
塗料は、そんなに簡単に作れません
なぜOEM商品だと言ってしまえるかというと、塗料は一朝一夕に作れるものではないからです。
大昔のペンキは、3つの材料を混ぜて作りました。塗膜となる樹脂、色を付ける顔料、それを溶かして安定させる有機溶剤です。しかし、今の塗料はそんなに単純ではありません。 求められる性能が増えているので薬剤の添加も必要ですし、樹脂の種類も増えています。VOC対策のため、有機溶剤系より製造が困難な水系塗料に移行しているので、混ぜるだけでは商品になりません。
ある塗料メーカーさんに聞きました。
その会社では防かび機能の高い屋外木部用塗料を売っています。ただ防かび剤をぶち込んでると思ったら、とんでもない!
薬剤は、小さな穴の開いたマイクロカプセルに入っているのだそうです。こうすると薬剤効果が長期間維持する上、触れても人体への影響がないのだとか。
このカプセルはシリカでできています。シリカって何かわかりますか?私はわかりません(笑)。目に見えないサイズのカプセルに、薬を詰める方法は想像もつきません。 結論。塗料メーカーは次元が違うってことです。 こういう化学技術を、一介の塗装屋さんとか門外漢のハウスメーカーが持っているとは到底思えないです。
普通の塗料より、こだわりがある塗料??
OEMで何がいけないの?塗料メーカーに特注で作らせた塗料なら「普通の塗料よりいい塗料」かも?という意見もありますね。
これは、ありえないと思います。
塗料は、美容成分を贅沢に使ったので効果抜群とか、じっくり煮込んだから美味しいとか、有名デザイナーを起用したのでオシャレ……という風にオリジナルを作れる製品ではありません。
たとえば、耐久性は樹脂の種類でだいたいきまっています。防汚剤や防かび剤などの薬剤は、好きなだけ入れられるものではありません。
ある程度の性能の製品やバリエーションは、もう世に出ていると考える方が自然ではないでしょうか。
だいたいから、最高品質の塗料はメーカーブランドで出すに決まってます。
もし、喜多建設がこういうオリジナル塗料をOEMで作ったとします(嘘広告とわかるように嘘っぽくしてますよ)。
ラベル貼っただけのこれが、本家より優れているなんてありえないと思いませんか?
ハウスメーカーが塗料メーカーに数億円積んで「絶対に10年コケが生えない塗料を作れ」みたいなお題で開発させるなら、あるいは可能なのかもしれません。でも、そういう話なら報道されるんじゃないでしょうか。
オリジナル塗料に、メリットは特にありません
OEMだから品質が悪いという話ではありません。塗料メーカーさんは、メーカーブランドでも他社ブランドでも、しっかりした製品を作ってくれていると思います。
ただ、ことさらそれを選ぶ理由が見つからないという話です。
(繰り返しますが、本当にオリジナル要素のある塗料なら違いますよ!)
オリジナル塗料を選ぶ唯一の必然性は、色でしょうか。新築時にハウスメーカーのオリジナル塗料で塗っていて、どうしても寸分違わず同じ色で塗りたい!という方ならそれを選ぶといいですね。
以上です!喜多建設の平林がお答えしました!
このページに掲載するかどうかはお約束できませんが、お問合せには必ずお返事しております。
何でもお気軽にお問合せください。