サイディング外壁に吹き付け工法をすると、どんなデザインができるの?
外壁塗装では、サイディングのみや吹き付け塗装のみで仕上げる方法があります。
しかし、これらは組み合わせて外壁塗装に用いることができることをご存じでしょうか?
組み合わせることでメリットも大きいですが、デメリットもあるため、施工前によく把握することが大事です。
今回は、無塗装サイディング外壁に吹き付け塗装をおこなう工法について、メリット面やデメリット面と一緒にご紹介します。
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無塗装の窯業系サイディングに吹き付け塗装をおこなうと、和風な住宅に合うデザインになります。
オリジナルなデザインに仕上がりますが、こまめなメンテナンスが必要です。
以下の記事で、詳しくご紹介します。
サイディング外壁とは?
まずは、サイディング外壁の基礎知識について解説します。
サイディングボードを貼り付けた外壁
サイディング外壁とは、サイディングボードという板状の外壁材を貼り付けた外壁のことを指します。
モルタル外壁との大きな違いは、つなぎ目の有無です。
サイディング外壁は、板状の素材をシーリングという充填剤でつなぎ合わせて外壁を作り上げていきます。
一方、モルタル外壁は、セメントに砂・水を混ぜたものを一面に塗装して仕上げます。
サイディング外壁はタイルのようにつなぎ目がある外壁であり、モルタル外壁はつなぎ目が全くない外壁に仕上がります。
材質によって4種類に分けられる
サイディング外壁は、主に「窯業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」の4種類あり、材質によって特徴が異なります。
現在の日本の住宅で多い種類は、窯業系サイディングです。
デザインが豊富なことや地震に強く、防火性に優れているなど住宅にとってメリットが多いことから窯業系サイディングがよく選ばれています。
他のサイディングも防水性や耐候性に優れていたり、ほぼメンテナンスフリーであるといった特長があります。
名前の通り、金属や木材など使用している素材によって種類が分けられます。
金属系はクールな印象になり、木質系は木材の温かみが表現される住宅になるため、性質や希望するデザインによって選択するのも良いでしょう。
吹き付け塗装とは?
続いて、吹き付け塗装について解説します。
専用機器を用いて塗料を霧状に吹き付ける工法
吹き付け塗装とは、「スプレーガン」という専用機器を用いて外壁に塗料を吹き付ける広報のことを指します。
このスプレーガンは、塗料を霧状に噴出するため、広範囲にわたって塗装することができます。
外壁塗装は、吹き付け塗装の他に刷毛やローラーを用いる工法があります。
一般的には、ローラーを用いる工法が主流となっていますが、細かい部分を塗装する際には刷毛を用いることが多いです。
吹き付け塗装は、一気に広範囲を塗装することができますが、塗料が飛散しやすいことから、住宅密集地では実施しにくいという特徴もあります。
デザイン性のある外壁に仕上がる
吹き付け塗装を行なった外壁は、凸凹した表面に仕上がり、デザイン性のある外壁に仕上がります。
デザインにこだわりたいという方は、満足できるでしょう。
ただし、均一に塗装し、あらゆるデザイン性を表現するためには、職人の技術が必要です。
吹き付け塗装の高いスキルを持つ職人に依頼すると、意匠性の高いデザインが実現します。
そのため、吹き付け塗装で外壁塗装をしたい場合は、業者選びが重要なポイントとなるでしょう。
無塗装窯業系サイディング+吹き付け塗装とは?
無塗装窯業系サイディングに吹き付け塗装をおこなう外壁塗装についてご紹介します。
サイディングボードに吹き付け塗装で仕上げる方法
この工法は、サイディングボードを貼り付けた外壁にリシンやスタッコなど吹き付け塗装をして仕上げます。
一般的なサイディング外壁は、サイディングボードを貼り付けた後につなぎ目をコーキングで埋めます。
また、吹き付け塗装は主にモルタル外壁に塗料を吹き付ける工法で、凸凹模様が特徴です。
外壁に多く見られるデザインは、この2つのどちらかになりますが、2つの工法を組み合わせることができます。
和風・和モダンなデザインに最適
無塗装窯業系サイディング外壁に吹き付け塗装は、和風な和モダンな住宅に仕上げたい方におすすめです。
サイディング外壁は、デザインパターンが豊富であることが特徴として挙げられますが、洋風なデザインが多いです。
しかし、サイディングに吹き付け塗装をおこなうことで、落ち着いた雰囲気になり、和風デザインに仕上がります。
通常のサイディング外壁、吹き付け塗装外壁のデザインの幅を広げることができます。
無塗装窯業系サイディング4種類のデザイン
無塗装窯業系サイディングは、大きく分けて4種類のデザインがあります。
こちらでは、それぞれのデザインの特徴についてご紹介します。
フラット
平らな形のサイディングボードになります。
無塗装窯業系サイディングの中でも、非常にシンプルなデザインになりますが、あらゆるエリアや周辺に溶け込みやすいでしょう。
シンプルなデザインが好みの方は、フラットがおすすめです。
木目調
木目模様を表現したサイディングボードです。
サイディング外壁には、木質系サイディングという木材を使用した種類がありますが、天然の木を使用しているためコストが掛かってしまいます。
コストを抑えて、木目のデザインを表現したいという方は、木目調の無塗装窯業系サイディングがおすすめです。
スタッコウォール
表面が凸凹したデザインのサイディングボードです。
石灰や水、セメントなどを混ぜ合わせた塗壁のようなデザインになります。
塗壁の場合は、外壁一面に塗装する手間が必要となりますが、サイディングボードは既に形成されているため、手軽に施工できます。
外壁の表面の質感にこだわりを持ちたいという方は、スタッコウォール調がおすすめです。
シャトーウォール
コテで手塗りしたようなデザインのサイディングボードです。
スタッコウォール調と同じく、既にデザインが形成されているサイディングボードであるため、施工の手軽さが特長になります。
高級感のある外壁に仕上げたい方におすすめです。
無塗装窯業系サイディング+吹き付け塗装のメリット
無塗装窯業系サイディングに、吹き付け塗装で仕上げた外壁のメリット面についてご紹介します。
好みの外壁色にできる
この工法の最大のメリットは、自分好みの色を選択することができることです。
塗料や素材の種類が多く、吹き付け仕上げ工法も様々な方法があります。
組み合わせで、いろんなデザインパターンを選択することができるため、デザイン性重視の方におすすめです。
また、現場で色の調合をおこなうため、イメージに近い外壁色を塗装することができるでしょう。
一般的なサイディングボードや外壁色ではなく、個性を出したい方、色にこだわりたい方にとって嬉しいメリットであると言えます。
コーキングが劣化しにくい
サイディング外壁には、つなぎ目にコーキング剤で埋める作業が必要ですが、その上から吹き付け塗装をおこなうことでコーキングが劣化しにくくなります。
サイディング外壁はコーキング劣化がデメリット面として挙げられますが、今回ご紹介する工法は、そのデメリットをカバーすることができます。
コーキングが劣化すると、剥がれ落ちてしまう可能性もあるため補修工事が必要です。
吹き付け塗装によって、コーキングに上からカバーする形になるため、コーキングの補修工事の頻度を減らすことができるでしょう。
耐久性が向上する
窯業系サイディングの特徴である耐久性の高さが、吹き付け塗装で厚みを増すことで、さらに性能が向上することになります。
元々、窯業系サイディングは性能が高いという点もあり、人気が高い塗材です。
耐火性・耐水性・耐震性に強いという住宅にとって大きなメリットがある窯業系サイディングを使用しているため、丈夫な住宅を作ることができます。
無塗装窯業系サイディング+吹き付け塗装のデメリット
無塗装窯業系サイディングに、吹き付け塗装で仕上げた外壁のデメリット面についてご紹介します。
施工期間が長くなる
この工法は、サイディング外壁に吹き付け塗装をおこなうため、施工期間が長くなってしまいます。
まず、サイディングボードを貼り付けて、コーキング剤を塗布します。
その次に、吹き付け塗装をおこなうため、一般的な外壁塗装と比べて長い時間が必要です。
2つの工法を組み合わせて外壁を仕上げるため、施工期間が長くなってしまうのは仕方がありません。
早く外壁塗装を仕上げたい方にとっては、もどかしい部分でしょう。
塗装の劣化が早い
無塗装窯業系サイディングに吹き付け塗装をおこなうデメリット面として、塗装の劣化が早いということが挙げられます。
工場で塗装する窯業系サイディングは比較的長持ちしますが、今回の工法は、その上から現場で吹き付け塗装をおこないます。
現場での塗装は、色褪せや塗装の剥がれなど劣化が起きやすいです。
デザイン性が高いことがメリットとしてありますが、比較的劣化が早いため、こまめなメンテナンスが必要となります。
費用が高くなる
デメリット面の1つに、施工費用が高くなってしまうということがあります。
何度もお伝えしていますが、この工法は2つの方法を組み合わせて外壁を仕上げます。
窯業系サイディングに塗装費用が追加されることとなり、その分コストがかかってしまいます。
他にはないデザインに仕上がりますが、そのためには通常よりもコストが掛かってしまうということも把握しておきましょう。
また、先程も述べたように、塗装の劣化に伴いメンテナンスが欠かせないため、維持費用も必要であると考えられます。
費用部分は、満足できる外壁塗装をおこなうために大事な項目となるため、事前に把握しておくことが大事です。
無塗装窯業系サイディング+吹き付け塗装のメンテナンスチェックポイント
デザイン性が高く、耐久性もアップするというメリットはありますが、定期的なメンテナンスが欠かせません。
外壁が劣化してくると、様々な症状が現れます。
こちらでは、メンテナンスが必要となる劣化症状やポイントについてご紹介します。
ご自身でチェックできる内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目で見て外壁の表面に変化がないかチェックする
外壁の表面にひび割れや塗膜の剥がれが発生している場合は、早急に補修工事が必要となります。
放置していると、雨漏りの原因ともなりますので、住宅にとってリスクが高いです。
まずは、目で見て異変がある箇所がないかをチェックしてみましょう。
発見した場合は、業者に連絡をし、症状が起きている箇所や大きさなどできる範囲で詳細を伝えてみてください。
手で触ってみて白い粉が付着しないかチェックする
ご自身でチェックできる方法として、手で触れた時に白い粉のようなものが付着しているか確認する方法があります。
外壁に触れた時に白い粉が付着することを「チョーキング現象」と言います。
塗料に含まれる顔料が粉状になって表面に現れる現象です。
チョーキング現象が起きている外壁は、防水効果が低下している状態であり、外壁塗装のサインになります。
放置していると、塗膜の剥がれやひび割れに繋がりますので、白い粉が付くだけだと侮っていると危険です。
今すぐに塗装工事が必要というわけではありませんが、発見した際は、次回の塗装工事を検討しましょう。
塗料の耐用年数をチェックしておく
吹き付け塗装で使用する塗料の耐用年数もメンテナンスのチェックポイントです。
塗料によって耐用年数が異なり、期間が近づいてくるにつれて次の補修・塗装工事が必要になります。
吹き付け塗装を行なった際の書類を保管し、業者に塗料の説明を受けて、使用する塗料について把握しておきましょう。
まとめ
無塗装窯業系サイディング+吹き付け塗装という工法は、サイディングボードに吹き付け塗装をおこなう、2つの工法を組み合わせた外壁塗装です。
色や素材を自分好みのものを選択することができるため、デザイン性を重視する方におすすめとなります。
通常のサイディング外壁では表すことが難しい、和風な和モダンな雰囲気の住宅に仕上げることも可能です。
また、窯業系サイディングの特徴である耐火性や耐水性、耐震性がさらに向上し、コーディング部分も上からカバーする形になるため劣化を防ぐことができます。
しかし、デメリット面があるということも把握しておきましょう。
2つの工法を組み合わせるため、施工時間や費用が掛かってしまいます。
また、塗装の劣化が早いという点もあるため、こまめにメンテナンスをして維持していくことが大事になります。
このページに掲載するかどうかはお約束できませんが、お問合せには必ずお返事しております。
何でもお気軽にお問合せください。