外壁塗装中・塗装後にネットに繋がらない!原因と対処法は?

Q.

外壁塗装中・塗装後、屋内で通信障害が起きたときの対処法は?

電波はとても繊細なもので、外壁や屋根に使われている建材の影響をよく受けます。そのため、外壁や屋根の工事を行ったことで、屋内での電波状況が大きく変わってしまったという事例は珍しくありません。

今回は外壁の材質と電波の関係や、外壁塗装中にネットに繋がらなくなったときの原因と対処法について解説します。

秋山

モバイル回線の電波状況が悪化したのであれば、建物を取り囲む足場などが影響している可能性があります。工事が終わるまで我慢するか、業者に相談してみてください。また、光回線が繋がらなくなった場合は、工事の影響でケーブルが破損した恐れがあります。ケーブルの状態を確認し、必要に応じて業者へ問い合わせましょう。

外壁の材質と電波の関係

外壁に使われている材質によって、屋内での電波状況は大きく変わります。 一般的に木造建築は電波を通しやすいものです。しかし、壁に使用されている建材によっては、屋内で電波をほとんど受信できない状態になることも。 例えばモルタルやALC(軽量気泡コンクリート)は、電波を遮りやすいです。また、ガルバリウム鋼板などを使用した金属系の外壁材も電波をかなり遮ります。使用する際は注意してください。 一方、木質系の外壁材は電波を通しやすいと言われています。ただし、壁に厚みがあるログハウスでは、屋内で電波を受信できない場合も。また、電波は水に吸収される性質を持っているため、丸太に含まれる水分が電波を妨害する要因になることもあります。

ネットに繋がらない?ガルバリウム鋼板の特性

ガルバリウム鋼板は、以下の成分からなる合金です。
  • ・アルミニウム 55%
  • ・亜鉛 43.4%
  • ・ケイ素 1.6%
金属でありながら錆びにくく、トタンの約3~6倍の耐久性があるとされるガルバリウム鋼板。耐食性や断熱性、耐久性、加工性に優れており、住宅の外壁材や屋根材などに使われています。 2016年には、マグネシウムを添加した「次世代ガルバリウム鋼板」も登場。従来のガルバリウム鋼板に比べて3倍以上の耐食性を持っていることから、塩害地域であっても500メートル以遠での使用が可能になりました。 このようにガルバリウム鋼板は非常に優秀な建材ではあるのですが、実は電波との相性は良くありません。 金属には電波を反射する性質があります。そのため、主にアルミニウムや亜鉛からなるガルバリウム鋼板も、電波を通すことなくはね返してしまうのです。 ガルバリウム鋼板の壁に囲まれた屋内では、以下のような通信障害が発生する可能性があります。
  • ・携帯電話の発着信ができない
  • ・携帯電話で通話がしづらい、まったく通話ができない
  • ・ネットに繋がらない、通信速度が著しく遅い
  • ・メールやメッセージアプリの送受信ができない

外壁にガルバリウム鋼板を使いたい!注意すべきことは?

新築やリフォームで、家の外壁にガルバリウム鋼板を使用する場合は、窓のサイズや材質に気を付けてください。 電波は窓から屋内へ入ってくるため、窓のサイズはできるだけ大きい方が望ましいです。 また、エコガラスとして人気の「Low-Eガラス」の使用は控えた方が無難でしょう。ガラスの表面が特殊な金属でコーティングされているため、電波をかなり遮断します。

屋内の通信環境を整える方法

光回線の導入を検討するのもひとつの手です。光回線のWi-Fiが使えるようになれば、屋内でもスマホやタブレットで快適にデータ通信できるようになります。 また、携帯電話の音声通話に支障が出ている場合は、契約中のキャリアから「フェムトセル」を借りましょう。フェムトセルは、ブロードバンド回線に繋いで使用する宅内用の小型通信基地局です。 フェムトセルから出るのは携帯電話用の電波です。これを屋内に設置すれば、音声通話の不調が改善されるはずですよ。

外壁塗装中、ネットに繋がらなくなった!原因と対処法は?

外壁塗装の工事が始まった途端、屋内でのネット環境が悪化してしまうことがあります。回線ごとに原因と対処法を見ていきましょう。

モバイル回線でネットに繋がらない場合

屋内でのモバイル回線の電波状況が急に悪くなった場合、建物を取り囲む足場や養生シート、新しく採用した外壁材が電波に影響を及ぼしている可能性があります。 基本的に電波は障害物に弱いものです。特に金属は、電波を反射する性質を持っています。自宅外では問題なく通信できるのであれば、自宅まわりの足場などが原因と見て間違いないでしょう。 とはいえ、足場も養生シートも外壁塗装には必要なものです。工事が終わるまでは我慢するか、どうしても困る場合は業者に相談してみてください。 また、原因が外壁材にありそうな場合は、これを機に光回線の導入も検討してみましょう。

光回線でネットに繋がらない場合

電波ではなく、屋内に直接引き込んだケーブルを使って通信する光回線。外壁塗装の作業中、急に光回線が繋がらなくなった場合は、工事の影響でケーブルが破損した可能性があります。 まずは目視でケーブルの状態を確認してみましょう。光回線のケーブルは電話線の配管やエアコンダクト、壁にあけた穴を経由して屋内に引き込まれます。 ケーブルが破損していた場合、絶対に断面を覗き込んだり触ったりしてはいけません。目には見えませんが、断面からレーザー光が出ている可能性があるため大変危険です。 破損が確認できたら、まずは外壁塗装の業者に問い合わせましょう。工事が原因で破損したことが明確になれば、損害賠償請求の対象になります。 その後、光回線の事業者へ修理を依頼してください。すぐに復旧することもありますが、破損の程度によっては数日かかることもあります。

まとめ

ガルバリウム鋼板はとても優れた建材ですが、電波との相性は良くありません。外壁材として使用する際は、窓のサイズや材質などに注意してください。 特に、エコガラスのLow-Eガラスを窓に使用した場合は、屋内の電波状況がかなり悪くなってしまうかもしれません。どちらも住宅に採用したい場合は、光回線やフェムトセルの導入も検討してみましょう。

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